第85章 発表会を開催する

南坂海乃は下の男に一瞥もくれず、そのままカーテンを引いた。

「放っておいて。こっちで張り込むのが好きなら、好きなだけ守ってればいい」

野口颯汰が二階から降りてくる。脇目も振らず、立ち去ろうとした――その背に、黒谷優の声が飛んだ。

「野口颯汰」

野口颯汰は振り返り、表情を崩さない。

「黒谷社長。最近は冷えますし、お帰りになったほうがいいですよ。海乃があなたにドアを開けることはありませんから」

口調は穏やかなのに、一言一言が領土宣言みたいだった。

黒谷優は唇を一本の線に結ぶ。瞳の奥は濁り、どろりとした狂気じみた嫉妬が渦を巻く。低い声で釘を刺した。

「野口颯汰……彼女が俺を選ばない...

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